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『2005 SUPER GT 第7戦 オートポリス レースレポート』

Category : 
SuperGT
2005-10-16 0:00
2005.10.22

今シーズンも残すところあと2戦となってしまいました。これまで、チームとしても僕の駆る18号車としても、良い流れに乗り切れないでここまできました。前戦富士ラウンドより3週間、一日たりともレースのことを考えない日はありませんでした。

金曜のフリー走行日。またもや台風接近で天気が怪しいのか?という予想に反し、午前中は完全ドライ。決勝のコンディションがあやふやであるものの、限られた時間の中でセッティングを進めました。早々に、事前テストから調子の良かった8号車がトップタイムを叩き出し、僕達18号車はそれに遅れることコンマ7秒で2位につけ、一応Team Honda Racingとしてワンツーという形で午前のセッションを終えました。とはいえ、まだまだ満足の行くセッティングが見出せずにいたので、納得のいく状態とは言えませんでした。
午後、午前セッションでできなかったことを進めたかったのですが、セッション開始直前に激しい雨が降り出し、マシン次々とスピン、コースアウトを繰り返し、数回に渡り赤旗中断となりました。後半GT500クラスの走行時間になり、ようやく雨が止み、急ピッチでレインセッティングを進めました。それまでまともに走行することもできない状況だったので、各マシン、積極的に走行を重ねていましたが、そんな中、18号車はまずますの方向性を見出せ、この雨の午後セッションをトップタイムで終了することができました。
この日の練習走行では、ドライに多少の不安を残すものの、レインは問題なく、翌日の予選に向けても確かな手応えを得ることができました。

予選日。やはり山の天気は気まぐれでした。1回目の予選開始直前に雨が激しく降り出し、ウェットでのアタックとなりました。走行開始してしばらく経つと、雨が弱まり、そうすると今度は霧がでてきました。同じ山の上にある富士スピードウェイでも同様の現象が起きることが少なくありませんが、雨上がりの後の霧がたちこめると、視界不良になってしまい、走行不可能な状態となってしまいます。この時もまさにその状態になり、度々赤旗中断していたのですが、ついに再開不可能としてセッション終了となってしまいました。まともなアタックももちろんできておらず、その時点でのポジションは11位、まさかのスーパーラップ出場ならずかと思い、落胆しました。しかし、僕達18号車は、小暮選手が1周も計測できていない状態である上、8号車の伊藤選手も含め、他のチームも基準タイムをクリア出来ていないところがほとんどという状況でした。ここで主催者側とチーム関係者側とで、この後の予選についての緊急ミーティングが開かれました。その結果、予選は昨年までのルールに基づき行われることとなり、スーパーラップは中止となりました。
2回目の予選が行われた午後、天気は回復せず、またもや午前同様に雨が降ったり、霧が立ちこめたりという状況でしたが、それでも午前と午後の走行の中で一番良いタイムが予選順位となる昨年までの方式になったので、厳しい状況でも積極的にアタックをせざるを得ませんでした。まずは500クラス、300クラスの混走。いつも通り、パートナーの小暮選手が走り、そこで早々に8号車に続く2番手タイムを叩きだしました。そこでTeam Honda Racingの2台はピットに戻り、500クラスの単独走行時間に備えて準備を始めました。その頃、僕達18号車は4番手までさがってしまっていたのですが、僕に交代し、その後の500クラスのアタックでタイムアップが図れるだろうと考えていました。しかし、ここでもまた天気が邪魔をしました。先に始まった300クラスの走行中に霧が発生し赤旗中断。結局50分以上待った挙句、予選中止となってしまいました。マシンのフィーリングもまずまず良かっただけに、まともにアタックをして、予選を勝負したかったととても残念に思います。しかし、何とか予選のグリッドも4番手に踏みとどまり、決勝は2列目スタートができることが決まりました。

決勝日。昨日の天気が嘘だったかのように、空は晴れて、ドライコンディションとなりました。オートポリスはタイヤにきついサーキットと言われていますが、この日も天気が良かったので、この後決勝レーススタートの頃には気温が上がり、タイヤに厳しくなるだろうと判断した18号車は、ハードタイヤを選択し、決勝に臨みました。多くのマシンがソフトタイヤをチョイスしている中、もしかしたらタイヤの磨耗が進んできた頃に、僕達にチャンスが訪れるかもしれないともくろんでいました。
いよいよ決勝スタート。今回、僕は昨年の最終戦ぶりに後半パートをドライブすることになりました。実は、僕はGTに参戦してから昨年まで、一度もスタートドライバーをつとめたことがありませんでした。しかし、今年はパートナーがGTに慣れていない小暮選手に決まり、僕が先にスタートをつとめてここまで戦ってきました。ただ、やはり体にしみついている自分なりのリズムというのがあるのかもしれません。
どうも今年の18号車はリズムに乗り切れていないと感じた数戦前から、とりあえず僕を後半スティントのドライブに戻してくれないかとチームにももちかけていました。今年の流れの悪さの原因が何なのか、わからないままここまでやってきたので、こうした些細なことでも変えてみることで何かが変わるかもしれない、と感じていたのでした。ようやくこのオートポリスで、僕は後半パートに戻り、小暮選手がスタートドライバーとなりました。
小暮選手は、緊張のスタートだったと後で言っていましたが、スタート直後にZ2台に前を行かれ、ポジションを2つ落としてしまったものの、しっかり前について周回を重ねていました。後は他車がペースを落としてきた時にマージンを稼ぎ、僕にバトンタッチして・・・と考えていたのですが、実は予想外に18号車が選択したタイヤが路面にマッチしてなかったようで、思うようにペースをあげることができないでいました。そこで、当然すぐに僕に交代し、タイヤをソフトに交換し、追い上げを図ると行きたいところだったのですが、僕のタイヤのライフが短いのでもう少し引っ張らなければということになり、18号車のドライバー交代のピットインは、他車に比べ、だいぶ後にされることとなりました。
小暮選手がピットインする直前の数周、明らかにペースダウンしていたため、僕が交代してコースに戻った頃には大幅にポジションダウンしていました。ここから僕が追い上げなければ、そう思い、積極的に攻めました。35号車、39号車、36号車のスープラを次々にオーバーテイクし、その後1号車を抜き、5位まで浮上しました。久しぶりに何台もオーバーテイクできるレースらしいレースを戦えて、とてもエキサイティングでした。特に最後の1号車のリチャード・ライアン選手は、さすがにディフェンディングチャンピオン、なかなか思うようには抜かせてもらえず、しかしクリーンなバトルができてとても楽しかったです。しかし、残念ながら、僕の追い上げもここまで、4位には手が届かず、悔しい悔しい5位でのフィニッシュとなりました。

今回のレースは、8号車が圧倒的な速さでポール・トゥー・ウィン、これでチャンピオンシップ1位に躍り出て、Team Honda Racingとしても、チャンピオンが見えてきました。次戦はいよいよ最終戦、鈴鹿です。ここ数年の鈴鹿の最終戦には、忘れることのできない様々な出来事がありましたが、それも全て悔しい涙で終わったレースでした。今年こそ、辛いシーズンの集大成、これまでの涙を笑顔に変えることができるように、必ず優勝してポディウムの頂点に上がりたいと思っています。


レーシングドライバー
道上 龍

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